はじめにと謝辞
俗に言う退職エントリです。(2020/12/17付で退職しました。国民年金の請求が後に来るでしょう)
私は2年弱メイプルシステムズの”仕組み”に乗っかりキャリアアップし、以下の記事に書いたとおり理想の形で転職を遂げました。
(メイプルシステムズはキャリアアップと合わせて離職を推奨している会社です)
本記事は自分のキャリアアップの経緯と、会社、SESについてをなるべく客観的な視点で書ければと思います。
(とはいえ自分で選んだ会社を丸々叩くことは無いのでバイアスはかかります)
メイプルシステムズが気になってる人や、SESのスキルアップのイメージ例、実際中から見てどうなのか気にしてる人にオススメです。
執筆に先立ちまして御礼(コメントは省略)
- 参画した現場の方々
- 株式会社メイプルシステムズ
- 社長のもっち〜
- 新旧バックオフィスメンバー
- ワクワクエンジニアくんの開発メンバー
- お付き合いした営業さん
メイプルシステムズとは
古いけどこちらが一番良さそう?
見ての通り、給与テーブルを公開していたり、高還元のSES会社(自社サービスも少しやってる)だったり、離職率100%を推奨していたりする会社です。
2019年はSNSに露出が強かったこともあり、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
数字で見る結果
略歴
職務経歴書はこちら
期間 | 内容 |
〜2015/3 | 高専本科(情報系) |
2015/4〜2018/12(5年弱) | 製造業の社内SE(インフラ) |
2019/3〜2020/12(2年弱) | メイプルシステムズ(ほぼインフラ) |
2021/1〜 | 自社サービス企業(SRE) |
※11月に現場を退出し今月の半分くらい有給消化し、有給がなくなった12/17が退職日となりました。12月分の給与は社内待機扱いの日割り(おまけみたいなもの)
ちなみに退職金制度もはじめから無いです。ボーナスもない。何なら(事務手続き簡略化と近くの現場を自分で選ぶ手もあり)交通費の支給もないコストカット・効率の徹底ぶり
どれくらい給与上がった?
2018年の1社目最終年収を100%とした場合、
2019年は80%(2ヶ月無職、1つ目の案件は単価低め)
2020年は140%(残業代込み)
2021年は予定140%(転職後)
具体的な額はここでは言及しませんが、某ラインを多少超えました。
※交通費の支給がなかった分可処分所得的には転職後増えます。
残業について
- メイプルシステムズはみなし20時間で超過分支払いです
- 最大残業時間56H
- 契約上限200Hかつ作業遅延かつ稼働日が少ない2月。後の更新で交渉し契約190Hに変更
- 平均残業時間20Hくらい(大体10H以下か25H前後の月)
- 残業は現場や自分の進捗度合、上手く線引きできるか。にかかってきます。辛くなったら多少はフォローが入りますが、良くも悪くも忙しいと契約上限時間まできっかり回すことになりがちです。
- よっぽどのことがないと費用精算が必要なため契約上限時間を超えることは無いようです。自分は超えたことがないです。
- つまり契約上限200Hは割と注意で、190Hに交渉したほうが良い
有給休暇消化率
大体月1日取得し退職時には100%
(有給所得するときは稼働時間を気にする必要が多少ある)
参画した案件3つ
- 損保システム組織変更に伴うDB洗替え対応(2019/3〜5)
- サーバサイドにスキルチェンジするか迷ってた案件
- ISP NW機器管理システム構築(2019/6〜11)
- 2019/2にLPIC1を取得しLinux業務未経験で入れた案件
- ⾦融系システム案件 移⾏⽤サーバ設計(2019/12〜2020/12)
- AWS業務少ない状態で入れた案件
- 2019/10の応用情報技術者に合格
- 2020/2 AWS SSAを取得
トントン拍子にスキルアップできました。自分でもビックリ。案件詳細は職務経歴書にあるので割愛。
↓で3つ目の案件が決まった頃の途中経過を綴っているので時間があればぜひ。
2年弱をふりかえる
入社の経緯
詳細はこちらにあります
ざっくり言うと、社内SEのスキルに悶々としながらも個人学習も捗らない状況が続いたので、やりたい分野を探しつつスキルアップができるメイプルシステムズに転職を決めました。
弊社の特徴3点
- 案件を選べる
- 自分の経歴で参画できそうな案件の提案が来て、そこから選べる
- 提案する会社が増える=案件が増える
→マージンで単価は下るがスキルアップしやすい案件が見つかる可能性も上がる(トレードオフ)
- 自社が受ける単価が公開されており、給与が連動している
- 次の現場で単価XX万になるようにこの資格取ろうとなる。
- 勉強してこの単価になれば給与はXXになるぞ(グヘヘ
- 離職率100%を提唱
- 案件の相談以外にも転職の相談もオープンにできる(まぁまぁできた)
- 帰属意識が無い
- 帰社など無駄なのが無かったり連絡はSlackだったり
根幹は入社〜退社までブレがなくとても良いです。(コロナ禍により案件の選びやすさは結構下がったらしいですが…)
余談として勤続3年で特別休暇付与する制度が社長提案+アンケートにより追加されようとしております。が個人的には根幹と反するような..?(辞めるのでどっちでも良いですが)社長も寂しさあるんだろうなとぁか
キャリア相談について
社長はエンジニアです。ただJava(最近はRailsも?)は強いですが、インフラは少し弱いです。また回答が端折りすぎな面もあり、特に文字ベースでキャリア相談するとしっくり来る回答が得られませんでした。
自分の場合社長に加え、kosen10sのメンバーやPodcast、kiitok、他社とのカジュアル面談で方向修正を測りました。
2019年前半にあった社内外交流イベントがなくなってしまった(結局コロナで開けませんが)のはこういうところでじわりと効いてる人が居そうです。
(インフラエンジニアは社内でも少ないのであれですが…)
SESの特性と歩み方
2年弱の経験や現場の他社さんとの会話でようやくSESの歩み方が掴めてきました。分かってると現場で重宝される人材となりやすい。案件探し時にも営業さんから優遇されるっぽい
- 対話相手によって本音と建前(と実態)を使い分ける必要がある
- 自社(営業、バックオフィス)、常駐先(リーダー、メンバー、他部門の人たち、お客さん)、仲介の営業がおり
- 準委任だと指揮命令系統は自社だったり…でも実態は…とか。
- 契約更新or退場の駆け引きとか。営業間では話すけど、現場リーダーには退場することは言われるまで自分からは言わない(雰囲気次第ですが)…とか。そのため次案件のための面談だけど、帰社で早退したり。
- 仲介営業(マージン)の価値の理解
- マージンは少ないに越したことはないですが
- 仲介してもらうことで良い案件に巡り会えてれば払う価値はあったり
- 退場の引き止めとか揉めたときに直請けじゃないほうがサバサバやり取りできたりw
- 準委任契約について
- 基本的には月の稼働時間(例140〜190H)でXX万円支払うという契約し満たないor超えた分は費用精算としていることが多い
- 請負契約と異なり納品物の責任は負わないので、食いっぱぐれはない
- 基本的には3ヶ月単位で更新される。切れ目の1ヶ月前には確認がある。更新しない場合は残りの1ヶ月で案件探し。現場で人が必要な場合は残りの1ヶ月で人探しする仕組み。前倒して行われることもある。
- 月の平日の日数からベースとなる稼働時間を意識して、残業のしすぎで超えたり、有給休暇を使いすぎて超えないように意識が必要
- 社としては精算の意識は絶対ではないが、営業さんと上手く付き合うためには稼働時間を考慮したほうが、別の面でWin-Winにはなりやすい
- 発注元と直請けと孫請の違い
- 発注元は1人月80万が相場説。回り回って自分はいくら受け取れる!?!?(多少の色で前後はするらしい)
- 直請けはリーダークラスが孫請メンバー増やしを管理することで儲けるが、自分の意志で案件を変えにくいし、利益はは新人教育の分とかもあり再分配される。規模によるが請負で受けてるケースが多いかも?
- 孫請けは(良心的な会社なら)受け取る単価は直請けより下がるが、単価が給与に反映しやすい。発注者と付き合いはないので案件を変えやすい。基本準委任契約だと思う。
正直理解するまで時間かかるし、本音と建前とか面倒くささがありつつも、半年や1年で現場に評価されながら案件変えることでキャリアアップを測れるのは大きいです。
キャリアアップのイメージ
プログラミングの一定レベルの習得に1000時間必要と言われています。
1日に2時間だと500日。
1日に8時間だと125日。
その時間をいかにモチベーションを保った状態で確保するかという面だと、SESで8時間を確保してしまうというのは手段の一つかなと思います。
SESだと3ヶ月毎の案件チェンジという中間ポイントがありモチベーションも保ちやすいです。階段を1段ずつ上るイメージ
もちろん1000時間業務後や休日とかに確保するのも手段の一つです。崖登りのイメージ
社内騒動を元に企業にありがちな問題を意識する
ここからはせっかく(絶賛だけじゃ面白くない)なので、この話題に触れます(ニッコリ
私の在籍中に主に2つの騒動があった認識です。
①2019年7月頃バックオフィスや自社開発メンバーの大量退職
②2019年代の未経験採用に関する云々
炎上とか言う人も居ますが、弊社はSNSに露出していた分そう言う見え方をした部分もあり、実際汎化すると似たような規模感の会社では外から見て表面化してなくても似たような問題はあると思います。(もちろんバイアスはある)
元々SESとして客先に出る私は社の特性が無くならなければどうでも良いスタンスでしたが、1年経ち改めて触れようかと思います。
バックオフィスや自社開発メンバーの大量退職について
これは一言で言うと会社が株式公開による上場を目指すか目指さないかに伴う問題です。
マンガ「マネーの拳」(ドラゴン桜書いてる人が作者)を読むとよく分かる。上場を目指す会社に入るなら読んて損は無さそう。
ざっくり言うと株式公開によって資金調達することで会社が創業者ではなく株主のものになり、良くも悪くも色々口出しされる。(例:古株優遇をやめ優秀な人材を採るべき、社会的責任が大きくなったり)社内も賛成派反対派に分かれる。
うちの場合は自社サービスで上場したい、開発メンバーやバックオフィスメンバーと、(ざっくり言うと)上場が面倒になってしまった社長とのズレです。
私としては元々入社の頃の説明で「上場するぞ!!」言ってることに違和感がありましたし、SESで外に出る以上、インセンティブは「上場ブランドで良い案件に巡り合える可能性が上がる」くらいでどっちでも良いと思っていました。
当事者やその人の想いがわかる人は、「上場問題の一言で片付けるな」と思うでしょうが…
騒動が落ち着いた2020年現在会社の方針は以下の感じです
- 上場目指す温度感っぽい
- 自社サービスへの出資者がいたが、折り合いは不明
- 社員数は100人未満とする(当時は300人とか目指していた)
- 採用活動が縮小(人が辞めたら採る程度)し、社内外交流会も廃止された。
- 社長がいなくなっても回る会社を目指すのをやめたっぽい
- 当時はキャリア相談も社員内でやらなきゃ…みたいな雰囲気あった
ここで得られた教訓としては、「上場を旗に掲げ過ぎている企業への入社は注意しろ」です。
特に上場による金銭や名誉的なインセンティブを期待している場合は本当に上場出来るサービス、ビジネス、メンバー、会社なのかを見たほうが良いです。基本上場したらおまけくらいのスタンスが丁度良いかと。
また資金調達により持ち株比率が変わり意思決定権を社長ではなくVCが握っている可能性があるので注意が必要です。(VCが良くない訳ではなく、意思決定権がどこにあるか認識した上で入社したほうが幸せ)
未経験採用について
2019年は未経験採用にチャレンジ(10人くらいだっけ?18人かも?)しましたが半数位は上手く行かず”素の未経験採用”を中止し、未経験の場合は指定の資格を取った者のみ採用する方針となりました。
(私は指定の資格取れる気がしないですが…経験者なので…)
色んなパターンの失敗はあったっぽいですが、一つ言うと入社側と会社側のギャップを埋められないまま入社になってしまった印象があります。
会社側の「うちの会社ならSESで案件を選べてスキルアップできる」と言う主張がいつしか未経験者側には「言われた通り資格を取ればテスターではなく初めから開発案件に入れる」と言う誤認が発生してしまった結果、「言われた通りやったのに開発案件が来ない」「SESの歩み方わからなすぎるしクソ」と言うギャップが生まれたと思います。
前述した1000時間学習を自走なりでポートフォリオ作りれるくらいの熱量と逸材であれば弊社に入る必要は無く一発転職を狙えます。(幅は年々狭まっていますが)
弊社に向いているのは一歩一歩努力(1資格100時間前後の学習の積み重ね?)はできるが前述の一発転職を狙えるほどではない層です。
(指定の資格取るには要領良くて500時間、ちゃんとやると1000時間くらい必要そうだけど…)
あとは資格という実態を目指すのと、技術というふわっとしたのを最初から追えるかという部分でしょうか
「弊社だと階段は1段抜かしできない」ということを説明しきれなかった会社側にも不足はありましたし、自分が選び入社した後にギャップを受け止めきれ無かった未経験者にも不足があります。
社長曰くしっかり会社の想定通り動いた人は着実にステップアップしているそうです。実際程度経験である「技術ではない仕事の進め方やツールのテクニック」も求められてくるのは事実。(vlockup、WinMerge、winshot等々の使い方とか)
ギャップに耐えきれなかった未経験者は文句を言いながら社内に疲弊を生み辞めていきました。
その結果未経験採用打ち切りを決断しました。
先述の通りSES会社に直請けパターンと孫請パターンがあり、弊社は孫請パターンです。未経験採用をやる以上は先行投資と時間による投資後の回収が必要です。
そこを分かった上でも社長はITへの間口を開きたかったわけですが、ギャップを埋めきれず打ち切りになりました。
さて企業の継続には新陳代謝や試行錯誤の連続が必要です。
未経験採用と言う”トライ”を行いつつ”見切って”素早く打ち切る。経営としてはパーフェクトだと思います。
長くなりましたが、会社は規模によってそれぞれのごたごたがあるかと思います。
大企業はずっしりと構えている分、変化は少なく古臭くなりがち。
若い企業は軽快な分、色々なことを試すが、社員は振り回されるときもある。
変化を恐れば会社は時代に遅れ崩壊する。
隣の芝生は青く見えがちですが、会社のフェーズによって受ける影響は異なります。1社目は1000人規模だったということもあり、よりそれを実感できたかなと思います。
自分が許容できる影響と会社のフェーズを照らし合わせた上での転職先を選びと、ある程度気にしない気持ちがあると幸せになれるでしょう。
終わりに
いかがでしょうか。会社のロールモデル通り「会社を踏み台にし」転職できたのではないかと思います(自画自賛、ドヤ顔)
入社時点で、自分の特性を理解した上でピッタリな会社だと思っていましたし、「会社のロールモデルになってやる」というやっていきを持っていたのは確かです。SESの特性は癖が強かったですがw
コロナがなかったらなぁと言うのはとてもありますが、リモートワークの普及など良い点もあるし、機転して3社目が決まったので実質チャラなんですよね。
ここで年の瀬と共に一区切りですが、年明けとともに3社目もスタートするので、しっかりこの勢いでキャッチアップし活躍していきたいと思います。
よかったらこちらも是非
キャリア相談、人生設計等@myu_mxまでご連絡いただけると喜びます。
長い記事となりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました。