自分にSREのラベルをつけるか考える

前置き

2ヶ月間ほどSREないしデータエンジニアとして週休3日、1~5年以内に育休1年取るという条件で転職活動をしてみました。
内定を頂くことはできずともキャリアを見直すいい機会となったので、そのうちの1つのネタである本件について書いていきます。

自分のスキル感

ポジション的にはインフラエンジニアないしSRE+データエンジニア
レイターステージのスタートアップでAWS,EKSを運用しています。規模感はまだ小さめで安定運用できています。入社してもうすぐ2年。以前は社内SE、SESで3社目です。
殆ど入社前に仕組みはできていたものの、現在1人称で全インフラカバーできるほどのスキル感です。
インフラ及びデータやる人は自分と上司の2人ないし実質自分みたいな組織的規模感です。

細かい部分はこのあたりも参考になるかも

2021年もあと3ヶ月。会社の期としては2Qが終わり、2021/1入社なので入社後としては9ヶ月が経ちます。入社後半年あたりに、入社エント...

空前のSREブームの光と影

巷では何回もこすられた話ですが…

SREはざっくりとGoogleが提唱した、サイト信頼性を重視する取り組みです。
ちなみにDevOpsは開発と運用が手を取りスムーズなデリバリーをしていく取り組みです。

ざっくりSREの要素を分解すると以下の3点になります。(解釈によって諸説あり)

  • インフラのコード化であるIaC
  • SLOを始めとする監視、
  • 持続的なデリバリーを可能とするCI/CD、(ポストモーテム等の文化)
    ※提唱元のGoogleではSREはソフトウェアエンジニアがローテーションでやるべきとしています。

日本におけるSREは先程の要素を含みつつ拡大解釈というか独自の広がりを見せています

  • インフラエンジニアが先述の要素に取り組むこと
  • ソフトウェアエンジニアが先述の要素に取り組むことに加えインフラもカバーすること
  • 各既存のサービスに先述の要素を導入すること。Embedded SRE

従来のインフラエンジニアはクラウドインフラの普及により、以下の分類がなくなりつつあり、これらを広く浅く担当することが増えてきました。クラウドインフラエンジニアと呼び分けたりすることもあります。

  • オンプレのサーバー管理者
  • DBを始めとするミドルウェア
    ※DBスペシャリストはデータ分析領域に変化したケースもあります。
  • ネットワーク機器の設計・管理

インフラエンジニアが幅広い部分を示す反面SREはインフラエンジニアの部分集合+(ソフトウェアエンジニアの部分集合)と言える気がします。言葉悪く言うとインフラエンジニアの上澄みがSREという訳です。
(かつてのDevOpsエンジニアでもある)

そういう解釈が広がるに連れ、各種転職サイトでもインフラエンジニアに加えSREを職種として取り扱うケースも増え、候補者もSREというラベル付けをするようになりました。

  • 企業側はSREで募集したほうがイケてる職種っぽいし、優秀なエンジニアがあつまりやすい。
  • 候補者はSREと名乗ったほうが、イケてる職種っぽいし、報酬も上がりやすいし(ABテストはできていないが提示年収は上がった)、従来のインフラエンジニアをフィルタリングしなくても済む。

SREに求められるスキル感

企業によってはインフラエンジニアとSREを並行で募集しているところもあれば、インフラエンジニアをSREとして募集しているところもあります。本家同様にSWEも含んでいることもあります。
あくまでも主観で、前提条件の希望をもとに活動したので、求められるハードルが上がった上での印象です。

  • マネジメントorプロフェッショナルだとプロフェッショナルを求められることが多い。(キャリアパス的には両方あると答えることが多いが…?)
  • 上澄みというだけあって、高いスキルを求められる
    • aws organizationの運用やk8sのカスタマイズレベル
  • 既にSREチームが発足済みの企業が多い。もちろん立ち上げからやってほしいというのもある。
    • 既に社内にサービスが複数あり、いい感じにSREのプラクティスを順に導入したいという課題感が多い
  • ソフトウェア開発のスキルはそこまで求められない。(あるに越したことはない)
    • 1社のみフロントからバックエンドまでポートフォリオ程度のものを作るコーティングテストがありました。

自分の希望にマッチする企業=他と比べ条件面に魅力な企業のため、採用難の中応募ががあつまりやすい→候補者に求めるレベルが上がる
とも言えます。
この辺は、本題からはずれるので別の記事で書こうと思います。
ちなみに選考を受けた企業の中には、SRE要素を含むデータエンジニアのポジションもありました。

上記を踏まえた上での中長期的キャリアの解像度不足

マネジメントorスペシャリストもよく言われる選択肢ですが、どこからが分岐点なのかはよくわかっていませんでした。
なんとなくマネジメント方向が良いと感じつつも、EMなのかプレイングマネージャーなのか、PdMなのかはやりつつ考えるくらいのイメージでしかなかったです。

転職活動後にエンジニアのためのマネジメントキャリアパスを読みましたが、テックリードまでマネジメントとスペシャリストは共通のキャリアパスなのか、テックリードを突き詰めるとスペシャリストなのか未だに白黒つけにくい領域はありつつも解像度は上がりました。

書籍でわかったこと

  • ピープルマネジメントはテックリードの先にある
  • テックリードは技術の推進に加え、プロジェクトマネジメントも行う
    • (アジャイルのプロジェクトマネジメントはウォーターフォールのプロジェクトマネジメントほど大々的な役割ではない)後輩の技術育成も行う。テックマネジメントとも言える。
  • スペシャリストについてはあまり触れられていないが、ピープルマネジメントをせず、業務の大半をコードを書くことに費やすとされている

そもそもここらへんのマネジメントorスペシャリスト問題も、企業・候補者によって解像度がまちまちな気がします。

SRE以外のラベル付けの検討

週休3日かつマネジメント方面のキャリアを望む私的には、多少の方向転換が必要そうです。

  • 原点に立ち返り、インフラエンジニアないし、クラウドインフラエンジニア
  • 設計に特化し、クラウドアーキテクト
  • 情シス領域もカバーし、コーポレートIT

インフラエンジニア・SREの下りの通り、転職サービス・募集ポジションの棲み分けは混沌とし始めています。上に上げたポジションがある場合もあれば、工夫しないと検索できないケースも有り、なかなか難しいところです。

そして改めて3年後、5年後のキャリアイメージを詳細に言語化し、応募段階で双方すり合わせしやすいようにしたほうがお互い幸せになれそうです。
絶対これみたいな書き方だとミスマッチになるため、ここらへんは書き方の工夫が必要だと思います。この辺は転職ドラフトの他の人のプロフィールを除いても良さそう。

言語化された到達点から現職で得られることができる領域、別途得に行く必要がある領域を切り分けながらやっていければ良さげです。