新卒時代の応援団経験から組織のアンチパターンについて考えてみる

最近3社目に入り「組織を良くすること」を意識することが増えてきました。(2社目はSESというのもあり薄かったと思います。)
3社目にもなったし組織のアンチパターンについて「1社目で4年間行った応援団での失敗経験」に触れながら書いてみようと思います。(応援団経験を書きたいだけ説はある)
※4年間と言っても1年の活動は2〜3ヶ月程です。

ちなみに応援団そのものについて書いてたら長くなったので、構成を上手く変えました。それでも失敗経験を汎化させるところとか書きにくかった…(読みにくいかもしれません)

自分は読んでないですが、もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)が近い内容な気がする

応援団とは

色々説明すると長くなるのでキーワード(Wikipediaのリンク)だけ

次項からはアンチパターンを体験とともに振り返っていきます。

みんなで決める、権限が移譲されていない

更に、「叩き台なしに全員参加でゼロから決め初めてしまう」「役割が曖昧になっている」

自分が3年目の時に男子マネージャーと言う「役割」をやりました。
応援団組織の男性だけで言うと入社1〜5,6年目程の若手が30名程おり、リーダーとサブリーダーを始めマネージャーなどの補佐の「役割」持ちが居ました。
(そもそも経験が浅い状態でリーダーをやるのも少し無理があるのですが…)

組織としては最終的に球場で応援するに当たり、振り付けなどの練習が必要で、どのようにやっていくかなどを組織として決めていく必要がありました。(上位組織である会社に対して承認を得る必要もあります)

本来はリーダーが方針を出し部下が具体案を出し叩いていく流ですが、自分の代は叩き台がない状態で打ち合わせに全員参加でゼロから「あーでもないこーでもない」と話してしまい時間が溶けていきました。
リーダーが判断するほどではない細かいことも全員で話し合ってしまったり…
役割の面では新人監督(新人教育担当)と技術顧問(動作の感覚的な部分の指導)が曖昧な役割があり、のまま方針決めに参加したり、私マネージャー(本来の内容は物品管理や出欠管理等)も参加していました。

翌年は反省もあってか、無駄な役割は減らし、30人前後を4チームに区切りチームリーダーを新設、練習の大枠はリーダーが立案、細かいフォローはチームリーダーに分けるなどリーダーが本当に決めることに注力できるよう多少変わったと思います。

場合によっては全員で決めることも必要ですが、基本的に組織においては、リーダーを置きつつ、権限はメンバーに移譲していったほうが効率的になります。
最近はプロジェクト毎にリーダーという役割をローテーションすることで「全員リーダー制」を行う組織もあります。リーダー側を経験することでどこまで自分で決めてどこまで決めてもらうかという判断がスムーズになったり。
またスタートアップとかでは合意形成の時間削減のためなどに「多分動くと思うからリリースしようぜ」精神で自分で責任を持ってやって、だめだったら自分でリカバリして成長するというパターンもあります。

目的、通過点等が言語化されていない

そもそも応援団の目標は「来場者へ応援を煽り、応援席が一体となり、試合に勝つ」と言うふわっとしたものになります。
KPIとかは設けにくく、勝てば良い応援だし、負ければ悪い応援とか、チームが強いかと言う外的要因にも左右されます。
(アンケートとか取るのも手ですが、試合を見に来ているのであって応援を見に来ている訳ではないと言うジレンマもあります)
それでも言葉的な目標は掲げますが、紐付きが薄かったり…

このため、会社の経営理念とかMVVが重視されます。ある程度抽象化しつつも分かりやすく、選択が訪れたときは軸となる考え方。企業選びに置いてもある程度共感できたほうが幸せになれると思います。

話がそれましたが、応援団活動は体を動かす行為である以上、踊りの教え方とかが、感覚に寄ってきたりします。
Aさんには手の広げ方はこれくらいと教わったが、その通りやってたつもりだが、Bさんにも指摘されると言うのが多発していました。
そのために自分の代は先述した技術顧問を置きその人を正としました。

それでも改善されず翌年は技術顧問の廃止と共に振り付けの言語化が行われました。
手の広げ方は「目にぎりぎり映る位置」→「135度の位置」など、できる限り数値化して共通認識を持てるようにしました。それでも分かりにくい部分もありますが多少はマシになったと思います。
全体的にデータ化が少なく口頭での伝承でしたが、細かい動作は文章に加え動画化し、メンバーにLINEで共有するなども行われました。

練習においては限られた時間の中で「今日はここまでできること」が若干ブレてたりもします。振り付けをやり始めた際に、「覚えること」「きれいに踊ること」などどこまでやるべきかが曖昧で、人によって指摘がずれることも。
先述したリーダーが練習の大枠を決めチームリーダーにスケジュールを事前共有しチームリーダーがその日のゴールを責任を持つことで多少は良くなった気がします。

評価も曖昧でした。これによって本業の評価が変わるわけではないのですが…
各年代ごとの求める像までは作れたのですが、他者からの評価を行う機会が設けられず、自分がどんな成長したのかが、わからない(自己評価でしかふりかえられない)時間を使ったのに勿体ない部分がありました。
自分が4年目にチームリーダーをやったとき、1年下の副チームリーダーが、最初と最後を比べると色々周りを見て動けるようになったことなどをフィードバックする機会を逃してしまったのは少し後悔しています。

会社における組織も、「新入社員の到達点」や「エンジニアにおけるスキルマップ」などがあると、期待値が言語化され、漠然と過ごすよりも期待値に向かって取り組みやすく自己評価、他社評価もしやすくなります。
1社目では3年目研修までで「問題解決力」をステップ毎に身につける研修があったり、配属後のOJTでは「SQLがこれくらいかけること」とかあったりしました。
2社目のSESでは、スキルマップ(もはやキャリアアップ)は自分で調査し開拓して引いていく必要があり難しい部分は多少なりありました。
3社目の現職ではスキルマップがまだ言語化できておらず、1on1で少しずつ認識できてきましたが、今後新しいメンバーが増えても対応できるように言語化していきたいなと思っています。

組織的な課題

アンチパターンかというと少しずれるかもしれませんが、いくつか上げます。

役割を持つ人のレベルが異なる

応援団組織の役割を持つ人も男子だと間接部門(大卒等)、女子だと製造部門(高卒)と言うのがあり、打ち合わせの進め方や、業務後の打ち合わせになるなどネックがありました。

更に言えば若手の組織。マネジメントスキルが少ない人がやっていくので、非効率な面はどうしても出てくる。逆にそこで苦しい経験をしたからこそ将来に生きる部分はあると思いますが…

ある程度規模がある会社においては、成り立てのリーダーと経験があるリーダーが一緒に仕事することはあり、最低でも管理職研修や資格などのボーダーを設けるなどなどを行うことで土台は揃えていたりするはずです。
逆にそういうものがない場合は求めているマネジメントスキルを言語化してすり合わせすることでギャップが埋められれば良いかと思います。

モチベーションの差

男子は全員参加と言うのは研修的位置付けが、ふわっと設定されていました。
年代によっては入社に全員参加の存在を知る(後に内定前?に事前説明されるように)などモチベーションを作りにくい状態がありました。
しかも練習内容の何が研修的位置付けなのか、人事や事務局が何を求めているかは曖昧なまま、練習が行われます。
その中でやる側としては、「人脈づくり」「社風に馴染む」「(体力づくり)」とかのメリット苦し紛れに上げるのですが…

会社においても、経営理念に共感できる人を採用するのを重視しているのはこのためです。人の感情はコントロールできず、モチベーション低い人を高くするのはなかなか難しいです。
創業から会社が拡大する中で、共感が薄い人を採用してしまい、古株とぶつかってしまうとか、いきなり会社の方針が変わりモチベーションが下がるとかはたまに聞く話です。

残業問題

練習は4,5月の業務後に3時間×週2日で、残業代+夕食支給と言う形でした。
研修とはいえ残業ありきでやるのも微妙ですし、振り付けを覚えるために昼練が任意という名の強制参加で行われており、そこに対しては手当等はなく黒に近い状態です。
またリーダーでの練習企画の打ち合わせは業務外にやると残業は付きませんでした。(これはアウト)

せっかくの改善プロジェクトなども、残業時間ありきで進めてしまいモチベーションが下がるケースはよくあります。

上位組織とのギャップ

応援団のリーダー内では「やるからにはクォリティを上げたい」と言うのと、上位組織としては「労務上の都合」とかがあったり、こういうことしたいけどひっくり返されたりと、ギャップがある結果、最終的には一般メンバーが割を食うケースもそれなりにありました。

事前にギャップをどこまですり合わせできるかが幸せになる緒か…

コミュニケーション

若手な組織かつ人数が多い分ノミニケーションが重視される場面もありました。
懇親会はあって2回位ですが、ノリは嫌な人は嫌な感じ。まぁ良し悪しですが…
練習後に会社支給の夕食の時しかコミュニケーションを図る機会が無いのが根本原因な気がします。
とはいえ若手の繋がりは本業の方で生きてきたりする部分があります。

リモートワーク下におけるオンボーディングはまだまだ模索している企業が多い印象はあります。
自分も部署内では問題ないですが、他部署とはまだ課題を感じています。

なぜ応援団を4年やったか

自分がなんだかんだで4年間(内3年目はマネージャー)をやったわけですが、改めて振り返ると以下の目的があったかなと思います。

  • 限られた条件下で周りのモチベーションを上げて成長する。(組織的に良い影響を与えられる人に)
  • 応援団自体のレアな経験。ネタになる
    • 東京ドームで応援団をやったレアな経験や、曲に合わせて振り付けができるところとか
  • 人脈づくり(情報システム部門で働く上ではとても活きました)←あくまで結果的に
    • 良くも悪くも実業団、応援団がある会社の社風的に応援団をやってると、他部署の人にも認知されたりします。
  • 体力づくりの一貫

それなりにアンチパターンや、少ない経験で工夫を凝らした苦労の経験があるからこそ、「カイゼン・ジャーニー」などの書籍を読んだとき、身に沁みやすい部分はありますし、多少はボトムアップでの組織への働き、動きができるんだと思います。

まだリーダーの経験は無いですが、ボトムアップでも取り組んでいきいつかやるリーダーへの経験に繋げていければ良いなと思っています。