結論
エンジニアの後輩育成強化することで以下が実現できると考えています
- 未経験層への教育機会増加
- マネジメントスキルの成長
- 直近or先々の採用に繋がる(自社のエンジニア不足解消)
ここで言う後輩育成は社内でできることが理想ですが、プログラミングスクールやmenta、Udemy講師などを用いた第三者への育成も含みます。
用語整理
- 未経験層:完全未経験から、独学ないしスクール卒業レベルを含む、文字通り実務未経験
- ジュニア層:実務経験あり、サポートが多少必要
- ミドル層:基本的に1人でなんとかできる
- マネージャー
- プロフェッショナル
エンジニア不足により転職激化
ご存じの通り諸々のIT化に伴い、エンジニア不足となり、需要と供給のバランスの崩れから、ベンチャーを始めとする企業の給与水準が上がり、極端に言うと自社で昇給を待つよりも1年毎に転職したほうが年収が上がるという状況になりました。
そこまでいかずとも一人ひとりの転職回数は増え平均在籍年数は下がる傾向にあるかと思います。
スタートアップに3年いれば長い方と言われることもあります。
逆に経験年数という目の前の年収アップに目が眩みすぎても良くなく、現職でドメイン知識の蓄積等による濃い経験溜めてから数年後に大きく伸ばすという考えもあります。
いろんな状況を見極めながら各々が転職のタイミングを見定めています。
転職激化により、未経験層を育てても転職してしまうからと、即戦力であるミドル層以上の採用を強化する企業が増えています。
ある企業は報酬を上げ、またある企業は福利厚生などの働きやすさ、またある企業は魅力的な事業内容など。
またある企業はこれらの企業に太刀打ちできず採用できない状況です。(現職かな)
転職激化により、未経験層、マネジメント候補者層への経験機会が手薄に
そもそも需要増加に伴う供給不足なので仕方がない部分もありますが、先述の通り転職激化に伴い、会社で未経験層に教える機会が減りました。
その結果エンジニア育成スクールは玉石混交の状態となっています。スクールに入ったとしてもエンジニア経験者に教われるとは限りません。
新卒採用に関しても、メガベンチャーはインターンの時点から個人開発などをしている素養がある人に種を撒き、上澄みをかっさらっていきます。(偏見)
メガベンチャーの新入社員研修資料公開は良いと思います(謎のフォロー)
体感2割位は完全な未経験にプログラミング入門をやるインターンも存在している気がします。(適当)
のほほんとしていると高い給与レンジを狙う場合SIerなどで上流工程ないしプロジェクトマネージャーのポジションしか無くなってきます(多分)
さて、ここまではよく触れられている内容ですがマネジメント層はいかがでしょうか
エンジニアメンバーから何かしらのマネジメントロールを得る機会というのは、転職のタイミングではなく、社内で数年経験してからのことが多いかと思います。もちろんマネジメントロールとしての募集に応募し内定を得ることも可能かもしれませんが、マネジメント未経験の状態で転職直後からマネジメントロールを得るのは、気が進まない人も多いと思います。
各社マネジメント層も不足しているという話もよく聞きます。未経験層同様に需要の増加もありますが、転職激化に伴い継続年数をきっかけにマネジメントロールを得るミドル層が減ってきたことも原因の1つかと思います。
※もう1つとしてエンジニアキャリアとしてマネジメントではなくプロフェッショナル領域に進みたいという人も一定数存在し、会社側もプロフェッショナル領域のキャリアを用意するようになったのもあると思います。
未経験層は誰に教わっているか
- プログラミング学習サービス(独学型)
- 書籍、Udemy、progateなどのWebサービス、QiitaやZennも若干ここに該当するとします
- プログラミングスクール
- mentaなどのCtoCサービス
- 学習が積み重なれば自社サービス企業も視野に
- SESや受託企業に採用される
- 受託企業のメンバーや、客先のメンバーなど比較的人が多い場所(多分)
- ここである程度経験できれば1人前になり、少人数の案件にもアサインされたりする
- 社によってはエンジニアリングではないことをやることになってしまう場合も。
- (コミュニティ)※若干歩み始めた人向けな気がする
- 分野限定のDiscord、勉強会など
どうやってマネジメントになっていくか
書籍「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」にはマネジメントのキャリアパスはざっくりこう書かれています。
- インターンのメンター
- 新入社員のメンタリング
- (会議のリード)←私見です
- テックリード
- チームリーダー
- 複数チームのマネージャー
- 複数の管理者のマネージャー
- 経営幹部
マネジメントってなんとなく数年在籍していて、座席が空いたら座るようなイメージもありますが、「数年在籍」の解像度を上げると上記の内容+社内知識になるかと思います。
とすると未経験層を取らないことで、マネジメントの入り口であるインターンのメンターや新人教育担当をやる機会が減り、マネジメント潜在層がマネジメントの1歩となる経験が減ったり、興味があっても自らの適性を図る機会がなかったりします。
そこで冒頭で示したエンジニアの後輩育成強化で以下を満たそうということです。
- 未経験層への教育機会増加
- マネジメントスキルの成長
- 直近or先々の採用に繋がる(自社のエンジニア不足解消)
社内で未経験層を1枠確保しましょう
(と言いつつ現職ではできてないです…ごめんなさい…アピールしているのですが…)
1,2年で辞めてしまうとしても、「漁師 森に木を植える」の精神+社内のマネジメント層育成という面で未経験層もしくはジュニア層はいるべきです。
また新人には色々な着眼点があり、ドキュメンテーションの見直しを含む気付きなどがあり組織の若返りに繋がります。
これも貼っておきます「ジュニアを採用しない連中はシニアに値しない」
現役エンジニアは教える場に出ましょう。会社はそれを支援してほしい
mentaだったり、現役エンジニア講師を募集しているスクールだったり。。
なんだかんだ観測してない範囲で、エンジニア講師をやることで、リファラル採用ないし、採用につながっている例はある気と思います。
フィヨルドブートキャンプ とかでありそう
Rails Girlsとかももしかするとそんな気がする
表向きに現役エンジニアが教え、筋が良いと採用されるエンジニアスクールもあると思います。
こことか https://techtrain.dev/(今はフロントエンドしかないです)
採用サービスにお金をかけるくらいなら、業務としてエンジニア講師として出たほうがコスパよく採用に繋がるようになれば理想です。
難点なのは、採用の中心メンバーがマネージャーなことが多いことです。マネージャーだと時間が限られているのと、既にマネジメントをやっているので無理して講師としての経験をつまなくても良いとなってしまいます。
あとはジュニア層ないしミドル層のほうが、未経験の時を覚えているのでスキル的には足りない部分もありつつも、近い距離で教え、自らも学ぶことができ、更にはコスト的にも控えめです。(マネジメント層的には社内に集中してほしいと思われがちなのがネック)
エンジニアスクール兼転職サービスで伸びている会社が少ないということはどこかに課題が残っているのだと思います。
- 現役エンジニアが教えるコストが高い
- 教えても自社の採用基準を満たさない
- 数年で転職してしまっても良いように最低でも教育コストが低い状態の人を採用したい
- スクールをやる上で、受講生をフィルタリングしないと教える側が疲弊するケースもある
- 現役エンジニアが教える場に出て来ない
Forkwellは転職サイトを運営しつつ、勉強会などを企画しており、どちらかというと近い立ち位置かもしれません。(協賛として教える人ないし企業が、学ぶ場に来る人を採用するチャンス)これを実務経験者ではなく、一部を未経験者向けにできればかなり良さそうです。
また諸々の勉強会、コミュニティも小さいながら近い部分はある気がします。
現状個人のレベルで取り組めるのは、既存の現役エンジニア講師を募集しているスクールないしmentaなどのCtoCサービスで副業として活動することだと思います。(コミュニティ活動もしかり)
会社側はそういった活動をするエンジニアにOSS活動のように手当ないし業務時間の控除などできると、より良い循環になるのではないかと思います。もちろん理想は1枠くらい未経験層採用することだと思います。
転職サービスとプログラミングスクールのビジネスモデルの違いと後輩育成の課題感
- 転職サービス:採用企業から費用をもらう
- プログラミングスクール:受講者(未経験層)から費用をもらう
- プログラミングスクールが企業からお金をもらい、未経験層を育成するケースもあります
- リファラル採用:採用費用が抑えられるので、リファラル採用した人にキックバックがあったりする。
- 未経験採用:スキルを見極めるのが大変 候補者集めは費用低い、選考コスト大
- プログラミングスクール卒業者と、未経験採用に求めるスキル感のギャップ
- 社内の未経験者育成:未経験者に給与を払いつつ育成コストがかかる。
- 新人なりの気付きやマネジメント層の育成に繋がるメリットはある
とは言えスクール卒業生というボリュームゾーンを少しでも未経験採用に求めるスキル感に近づけ、未経験枠が空いたら採用コスト低くシュッと採用できる状態(探すところから面接の見極めコスト等々)になると、少しずつでも経験者が増えていくのではないかと思います。
あとはここのギャップを埋まるカリキュラム的なものがもう少し具体化してくるとお互いやりやすいような気がします。(チーム開発的要素が出てくるので実現性もネックな部分だったりはすると思うのですが…)
やはりそこの溝は現役エンジニアが教える場に出ることで、未経験層のレベルが上がりつつ、未経験採用時の選考コストを下げることに繋がると思います。
ある意味メガベンチャーなどのプログラミング入門インターンが学生限定ですが近い形な気がします。
おわりに
(だいぶ読みにくい内容な気がしつつ…)
もし今回の記事を読んでマネジメントへの機会が少ないと感じたら、会社に未経験層の採用を働きかけるなり、自ら教える場に出てみるなりするとキャリアが開けるのではないかと思います。
政府も「リスキル」ということで、IT人材育成に資金が投入され、よりプログラミングスクール卒業した実務未経験層かつ採用されない人が増えると思います。
せっかくなのでこれも載せときます
自分も細々とmentaをやっていますが、もう少し(キャリア的な意味でも)スキルアップして対応できる領域を増やしたいところ
この記事によって少しでもエンジニア業界が正の循環に向いていけば幸いです。