高専時代の学生会活動をふりかえる

何回かに分けて自分が高専生の時にやった活動について振り返っていきます。
前回は女装でした。(その記事ではそんなこと謳ってないですが)

少年よ、男娘心を抱け(?) 女装したい人、見たい人、支援したい人、盛り上げたい人ー。すべての高専生に継ぐ(告ぐ)女装のススメを経験者が語る。

ド技術な高専生活では無かったですが、思うがままにチャレンジしたことが色々生きているところがあるかなと。
他には写真部の部長やったり暗室で現像したり、ギークハウス南千住やったりと。
(ギークハウス南千住の記事はカテゴリー「シェアハウス」にあるのですが、旧ブログからのままで読みにくかったり、次のシェアハウスを検討していた内容が残っていた(ので一旦非公開にした)りとメンテが必要です…)

今回は学生会編
メリットを出していってオススメだよ!って言いたかったんですが、苦労のほうが多く勧めにくい部分もあるので、紹介的なテイストにします。

前提と特徴

高専には、高校で言う生徒会、大学で言う学生会(ないし学友会と呼ぶ学校もある。以降学生会に統一)が存在します。
規模は大学程ではないですが、権限は大学並だと思います。(勝手な想像ですが)

主な役割は委員会、部活、文化祭の頂点的な組織となっており、予算の振り分けや全体の組織運営等を行っています。
ちなみに高専では技術的な部活は盛ん(運動部も高校よりは劣りますがそこそこ盛ん)ですが、対極して学生会を好んでやる人は少なく、活動に対して魅力を出していくのが難しいところがあります。

特徴

  • 学生に対して学生会は会社の役員会的な組織に位置している
  • お金は学生会費の再分配で、大体500〜1000万を年間扱う事になる(学校による)
  • 組織運営の流れが1年間の中で会社に近い部分が多い
  • イベントの開催など関係者とコミュニケーションしながらある程度権限を持って行える

自分の高専は学生会は特に人気なく、ぽっと出で立候補すれば経験なくても会長に当選し、1年回せてしまう状態でした。改善点は多く色々やりたい人にはもってこいでしょう。

まぁ学校内の活動ってやりたい人がやる方式だからタダ働きでやりがい搾取というか企業に置き換えると無報酬な訳で超絶ブラックな訳なんですが…

主な活動の流れ

  • (学生会費の徴収)
    • 入学時に口座引き落としの設定をされるので基本収入は安定する。
    • 弊学は年間8000円✕40人✕4学科✕5年でおよそ600万(年)となる。
    • うちは無駄に毎年400万くらい繰り越しているので予算としては1000万。
  • 1月:次年度学生会執行役員の選挙
    • 学生会の1年は選挙に始まり選挙に終わります
    • 会則によって様々ですが、ぽっと出で会長に立候補できたり、会長は経験者である必要があったり、メンバーは選挙で当選する必要があったり、新一年生が入れるように非選挙枠を設けている場合もあります。
  • 2月:次年度学生会の発足
  • 3月:今年度役員からの引き継ぎ
  • 4月:入学関係イベントの主幹
  • 4月:委員会の発足
    • 特にやることがわからないままホームルームでやる委員会を押し付けあって決める
  • 4月:予算振り分け(部活・委員会・行事など)
    • ちなみにうちの高専ではロボット研究同好会、宇宙研究会は我が校筆頭の技術系の部活ですが、色々な都合上部費は得ず、後援会(PTA)などから資金源を得ています。
    • 大体運動部は20万、文化部は10万くらい。予算希望、活動実績や人数で多少さじ加減する感じ。合計250万?
    • 文化祭200〜300万、体育祭30万??その他(学生会・委員会・卒業記念品)で100万とかだった気がする
  • 4月:新一年生の学生会役員の立候補者募集
  • 5月:学生総会の開催と(新一年生役員選挙)
    • ここに向けて前年度の実績取りまとめ、今年度の予算の振り分けを行い、総会で承認を得る。得なかった例はあまりない
    • 何なら決議書は紙ヒコーキにされたり、SSID大喜利したりと低クォリティな学生総会だった。
  • 5月:体育祭の補佐
    • 学校によって時期はまちまちですが
  • 7月頃:(関東・全国)学生会交流会
    • 幹事持ち回りで、高専の学生会で情報交換を行う(息抜きの面もある)
    • 関東分はちょうど幹事校で旅行代金使わず好き勝手企画しました。。。
  • 11月:文化祭の補佐
  • 1月:次年度学生会執行役員の選挙
  • 3月:割り当てた予算の実績確認
  • 3月:次年度役員への引き継ぎ

自分と学生会との関わり

高専3年の1月ごろ
友人が祭り上げられて未経験で学生会会長に当選する。
面白そうだから手伝ってみよう。と役員でもないのに首を突っ込み作業をすることになる。

諸々の活動を回した後、1年やり引き継いだ後引退。といった感じで少しレアケースです。
役員でもないのにそこそこ手伝っていたため、学生会の交流会にしれっと参加したりしていました。
他高専の人とかで真面目に低学年からやってる人から見ると印象は良くないと思います。(うちは毎年ほぼ未経験が回している気がする)

当時の課題感と対策

突き詰めるとPTA問題と同じです。

学生会やる人少ない問題と学生の全体的モチベーションの低さ

高専は授業も8コマ(90分だと4コマとも言う)ある日もあるし、更に課題やレポート、テスト勉強と進級しかり本筋の活動がびっしりだったりします。そこから更に遊びや部活、技術的な取り組みなどやっていくと、学生会や委員会を始めとする委員会活動は必然的に優先順位が下り、できればやりたくない、貧乏くじ状態です。
とはいえ最低限、文化祭や体育祭はやる必要あるし、予算面では部費の割当なども必要です…
しかも会社員を経験してない学生が、大きい裁量を最適化して運営するにはカリスマ性か知見ある人の補助が必要になってきます。

学生会の面倒を見る、学生会担当教授(うちでは学生室という学生関係諸々を担当する教授が4人前後いた)も忙しく、手取り足取り教えることは叶いません。

任期も1年毎のため引き継ぎも曖昧で、一応手順メモは残りますが…

自分が関わってたころもどうすれば解決できるかと頭を捻りましたが、いい解決策は出ず、任期が終わる頃にはもういいかとなってしまいました。

求められていない分、手抜きもできるし逆に色々思いを巡らせ労力をかけすぎることもできます。

ちなみに委員会はもっとひどく、年初のホームルームで人選し、委員長を決めるものの、活動実態がある委員会は少ないです。例えば保健委員会は身体測定の補助のみ。美化委員会は…新聞委員会は…など。そこそこ活動量があるのは体育祭や文化祭の実行委員会くらいです。
一番ひどいのは監査委員会で、委員長が決まると判子を学生会室に置いていく(つまり未確認承認ということ)ことで仕事が終わるというパターンです。(ある意味Win-Winですが、監査は機能していないということです。学生会費なので各学生がそれでいいと思ってればそれでいいのでしょうが)
※もちろん学生室(教授側)がチェックしており、ある程度フィルタリングはしております。

良さげなイベント思い浮かばない問題

学生のモチベーションが前述の通りなので、手間のかかる新規イベントは支持されません。とはいえ裁量があるしお金も10万くらいまでなら企画が成り立ってればポンと使えたりします…

自分の学校は七夕のときに笹の葉を出して、自由に高専生の願いを書くという雑なイベントがあるのですが、そこに一工夫予算を使って…とかも考えたのですが頓挫しました。
ちなみに高専生の願い事No1は「彼女がほしい(リア充になりたい)」でした。

事務作業地味に多い問題

予算周りの書類や、部活申請とか、各部活の名簿とか古き慣習で紙で貰ったりとアナログな部分は多いです。
当時の学術システムはO365とかGoogle Workspaceでは無かった(学校配布のメールアドレスは学校PCじゃないと受信できない状態とか)ですが、今なら行けそうな気がする。とはいえ学生にその知見があるかは絶妙なライン。

少し前に共働き夫婦にはPTA活動が負担になっていると話題になりましたが、最近は保育園のIT化にCoDMON(コドモン)などが広がって、PTAにも波及してきているらしいです。(学校側の予算をどうこうして導入するのがハードルが高いのも背景にはあってPTA)


応援団活動のときも色々考えましたがLINEに落ち着いてしまったし、色々な人がいる中でのシステム化は中々悩ましいところがあります。
学生会活動にも最適化されたシステムがあればいいなとか思ったり。
話は少しずれますが、学校側ですぐには契約できないサブスク系を学生会費側で上手く契約できると価値創造に繋がるような気がする。
例えばAdobe Creative Cloudとか 1ユーザ年間20,790円(税込)ってあるから厳しそうな気はするけど…

そもそも組織運営の勝手が分からない問題

俗に言うマネジメント力的なところです。ただでさえ高専生はコミュニケーションを苦手と思ってる人も多い中ハードルが高い気がします。
もしドラでも読めばいいのだろうか…?
中学時代の経験に左右されたり、あとは先輩の姿や引き継ぎとか顧問教員からのアドバイスに依存してしまう部分があると思います。

社会人になって思うのは、仕事の進め方の部分とか、学生の頃知っていればもう少し企画とか、根回しとか上手くできたんだけどなと言うのを感じます。
逆にそこそこ部活や学生会とかで組織運営に関わっていた人はそこら辺が強いでしょうし、総務的なポジション?や管理的なポジションに入りやすいのかもしれません。

おわりに

自分も1社目、2社目、3社目と社内システムや体制を見てきて、1社目は歴史も長く人数もいる分、システム化はされているものの少しレガシー感が漂う部分もあれば、稟議等は紙が残るなどありました。
2社目はSES企業で徹底的なムダの排除を意識しており、最終的にバックオフィスは社長+1人になったり、人事労務freee、Slackを使ったりと効率化されておりました。
3社目は自社サービスのベンチャーで、2社目同様にGSuiteやSlackや経費申請などの社内システムまで今風の便利なシステムが使われておりますし、総務的な部署は会社を良くするべく様々な施策を打ったり検討しています。

プライベートのほうも多少はSaaSを活用しており、MFクラウド確定申告や、Trello、TimeTree、スプレッドシートなど使っています。

後の人生で訪れる結婚式や、子育てにおける保育園や小学校、はたまた葬式とかの中でレガシーな仕組みや、どこまで労力をかけるべきか問題に出会うことがあると思います。
PTAの例もそうですが、妥協したり回避したり、はたまた自分が入り込んで改善していくか。

学生会の話から少し逸れた気もしますが、組織的な運営には無駄を排除するシステム化的な工夫も必要ですし、アイデアとか推し進めたりなどのマネジメント的な面も必要だなと改めて思いました。
現職では総務的な立場ではないですが、施策を盛り上げたり、良いアイデアを共有したりと良い働きができればと改めて感じた次第です。

なんとなく学生会でやってたことを書き残したく記事にしましたが、(途中着地点に迷いがあったりしましたが)綺麗にまとまった気がするので?締めたいと思います。ありがとうございました。